2ねんせいの夏。
『けど?』

『太陽にとっては、なんて言うのかなぁ…、言い方は悪いかもしれないけど、
“うざい”ってやつ?
親が悪いんじゃないけど、ずっとべったり、それじゃあ、飽き飽きするっていうか…』

春は言葉に困った。

『親がずっと一緒っていうのも疲れるのかなぁ。
うちはあまりに居なさ過ぎて、分かんないけど。』

奈々が言う。

『うちはうざいってのはないなぁ。うるさく言うこともあんまりないし…』

『それは皆がちゃんとしてるからじゃ…』

慎の発言に春が一言呟いて返した。

『太陽のおばさんならうちに、乗り込んできて無理矢理にでも連れ帰りそうだけどな。』

宏がやってきて言った。
宏は太陽が引っ張って行かれた
前例を唯一目撃した人物である。

『そのうち来るぞ、きっと。』

『えどんなかなぁ…』

奈々は興味津々。

『親にとって子供はいつまでも
子供って言うしね。』

『太陽のおばさんは
子供の命がかかってる毎日を過ごしてきたんだ。
過保護になってもしょうがないって思うけど…』

『子供にも
子供の人生がある?』

『うん…』

『太陽は賢い奴だから親の気持ちも分かっての上だよ。』
< 66 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop