2ねんせいの夏。
そんな守りたいものができたら、大人の一歩、

それを守ろうと努力すれば、
大人の二歩目、

守ることができたなら、
やっと大人で、
大人になったら、
またそこから成長しなきゃ、
大人で居続けられないんだって。』

奈々が続けた。

『大人への道程は深いな。
というか、澤田パパの大人論?は、深いな。』

宏が言う。

『父さんの大人論でいくと、
大人は一人じゃなれないな。
何かを守るって、一人じゃ難しいだろ。』

慎が言った。

『助け合い…?なのかな。
守るものが、人でも物でも夢でも、誰かに助けられて、誰かを助けて、守っていくものなのかも。』

亜子が言った。

『お前達、僕らより大人だよ。
恥ずかしい、
歳だけ大人な自分らが。』

宏が言う。

『そうかなぁ、
宏君は少なくとも、
うちの兄ちゃんを助けてるから
大人だよ。分かってるよ?
宏君が友達と何かを守ってること。』

慎が言う。

『宏君のことは、私達や春君達、皆で助けるからね、
いつだって。』

奈々も言う。

『そうだよ、残念ながらひとりぼっちの大人にはなれないよ、お兄ちゃんは。』

亜子が言った。
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