2ねんせいの夏。
次の日――――――――。

『宏君!!』

声をかけたのは病院帰りの剛さん。

『なんか元気ないね、悩み事?』

『そんな事ないっすよ?剛さん…は、光さんとこ行ってた帰り?』

『うん。
…話くらい聞くよ?』

『何、話していいか…。
きょうだい達が
僕が想像してた以上に大人だったというか、
僕自身、自分が思ってた以上に子供だったっていうこと、
気付かされたっていうか。』

『そう。周りの成長に気付くと
何だか焦るよね、でも、いいことだよ。』


『うん。』

『あ、そうだ。子供のね、名前、決まったんだ。』

『あぁ、光さんが‘桜’は譲れないとかって言ってた。で、どうなったの。双子ちゃんでしょ、男の子と女の子。』

『‘さくら’になったよ、女の子は。』

『夏でも?』

『‘桜’じゃなくってさ、‘咲’なんだ。“咲良”
どう?』

『さすが、剛さんって感じかな。男の子は?』

『‘大樹’に決めたよ。なんか、のびのび育ちそうでしょ。』

『うん、いい。いいよ!』

『ありがと。
これからが、大変なのは分かってる、宏君もそろそろ、
“これから”に踏み出してみたら?』

“これから―――……”
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