2ねんせいの夏。
晩ご飯が済んだくらいに、その日のイベントが、発生した。

『停電?』

『怖いよ!!』

健がおびえる。

『大丈夫だって、すぐに明るくなるって。』

奈々が言う。言いながらびびってる奈々は暗闇で誰かわからない腕に、とりあえずしがみ付いていた。

皆の予想に反して、その日は、なかなか電気は回復しなかった。

心配した春が貴の携帯に電話を掛けてきた時の情報から、どうやら電気が回復していないのはこの辺だけのようだ。

『風で電線やられてるみたいだわっ!』

コックの浩介さんが外を見てきたようだ。

『どんだけ強い風だよ!』

『とりあえず明かり!』

今唯一の明かりは、皆の携帯のディスプレイだけだった。
すぐに懐中電灯が用意され、ランプとロウソクなんかもテーブルに並んだ。

『キャンプみたーい。』

はしゃぐのは小学生。

ホームは、匂いで見つけた健にすりよって行く。

『どうするの?皆の部屋の明かりは。』

奈々がたずねる。

『今日はもう寝る?』

慎が言う。

『そだね。』

亜子がそう言うと自分の部屋に帰ろうとする。
そんな亜子と慎の腕をつかんで、首を横に振る奈々の顔は険しかった。

『怖いじゃん』
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