2ねんせいの夏。
『じゃあ、健と一緒に寝てもらえよ。』

慎が言う。

『姉弟仲良く寝ればいいじゃん。』

亜子も言う。

奈々は健の顔を見ながら不安そうにする。
健は奈々の顔を見ながら更に不安そうにする。

『健、二人で亜子ちゃんの部屋にお邪魔しようか!』

奈々が健に提案する。

『それいい!』

笑顔になった健が亜子の方を見る。

『べっ…、別にいいけど。』

亜子がそう言うと佐倉姉弟は満面の笑み。

『頼りない姉弟だなぁ。』

宏が言う。

『じゃあ、僕も!』

潤も参加してきた。

『じゃあ、僕も!!』

宏も参加してきた。

『却下!』

『なんでー!』

そんなやりとりの中、外では雨風が窓を揺らしていた。

『…皆で空き部屋キャンプするか?』

貴が提案する。

『賛成ー!!!!』

奈々、健、潤、宏が声をあげる。

呆れる亜子と慎も仕方なく参加する。

一階の空き部屋。

テレビとソファー、子供たちの食事以外の溜り場。

『怖い話でもするか?』

貴が言うと、佐倉姉弟が断固反対する。

『きょうだいだねぇ。』

宏が言う。

『苦手なものは苦手なの。』

声をそろえてそう言うと、皆が笑った。
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