2ねんせいの夏。
『明日は花火だなぁ。屋上で花火見るのも何度目だ?』

『さぁ、生まれた時から見てたとすれば22回目?』

『だな。潤や健の約三倍?』

『そう言われると自分達の歳を感じるよ…』

『年寄りの会話かよ!』

貴と宏の会話に慎がつっこむ。

『いつまでこうやって、皆で集まって騒いだり、花火見たりするんだろうなぁ…』

貴が言った。

『ずっとでしょ?』

健が言った。

皆黙ってしまう。

『ずっとこのままってわけにはいかないだろうなぁ。』

宏が言った。

『すでに俺と宏は本来此処にはいなかったはずの歳だしな。』

貴が言った。

『ずっとずっと皆でこのまま、一緒にいちゃいけないの?』

潤が聞いた。

『いけなくはないけど…、一緒にいてどうするんだ?今は楽しいかもしれないけど、きっと、皆には物足りない場所になると思うよ?』

貴が言った。

『二人は今もここにいるじゃない!』

健が言った。

『そうだなぁ…』

貴が宏に助けを求める視線を向ける。
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