2ねんせいの夏。
『でも、そろそろ…』

『そろそろ…な。』

貴と宏の会話。

『これ以上無駄に歳とる訳にはいかないだろ。』

貴の一言に宏が頷く。

『しんみりしちゃったんだけど。』

奈々が言う。

『俺たちが大人に見えただろ!』

貴が言った。

皆目を瞑って寝たふりをする。

『はい、流された。』

『やるか。』

『おうっ!』

貴が言うと、
貴は慎を、宏は健をくすぐり始めた。

『やめろよ!』

慎の蹴りが潤に当たって、
暴れる健の手が奈々と亜子に当たって、

にぎやかな夜は更けていった。

『疲れた…』

『寝るか…』

『賛成……』

雨風は尚、窓を叩いていたが、7人のきょうだい達は、眠りに就いた。

ホームだけは、既におとなしく眠っていた。
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