2ねんせいの夏。
『なんだぁ?俺が一番乗りか?皆何やってんだよっ!』

春のトークは止まらない。

『まだ朝だっつってんの。ちょっと黙れよ。』

宏が止めに入った。

『んだよっ!』

春は渋々黙って空いてる席に着く。

『あと、誰が来る予定?』

『太陽君に修君・遼君兄弟でしょ、真砂希君は行けたら行くって。』

春の問いに奈々が答える。

『真砂希は絶対来るはずだな。うん。』

そう言って春は亜子の方を見た。
亜子は春の視線から外れようとする。

『じゃあさ、良太も呼んでやろうぜ!』

春が提案する。

『来るかぁ?あいつ。』

宏が言う。

『一応呼んでやろうぜ。』

そう言うと、貴は携帯を手にした。

何だか恩着せがましく呼ばれそうになっているのは、近所に住む貴や宏の一歳年上の幼なじみ、良太。

昔から皆の世話をやいてくれる良き兄貴だが、貴や宏、更に春までもが同級生気分で接する。
そんな二人(プラス一人)を怒りもせず相手してくれる良太は、下のきょうだい達にも慕われている。

『来るってさぁ』

『さすが良太、乗りイイ』

『乗りの問題?!』

『何でもいいんだよ、来りゃあさ。』

『あっそ。』
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