2ねんせいの夏。
『宿題やったのかなんてさ、聞いてきたからこう言ってやった。

“余裕”

ってさ。
いつまで子供扱いすんだよって話だよ、良太はよ。』

貴が一人文句を言う。

『それが仕事なんだから。』

亜子が言う。

『あ、屋上行ってみようぜ。』

話をそらした貴が思い立ったように言う。
亜子は呆れ顔。

『行く!』

小学生組が椅子の上に立ち上がってはしゃぐ。

年に一度、この日くらいしか上ることがないかもしれないという屋上は、使われていない部屋だらけの二階を越えて続く、一ヶ所の階段だけで行くことができる。

『じゃあ、軽く掃除もしてきてくれる?』

『了解!』

あかねさんの言葉に、屋上へ行こうとしていたメンバーは、快く返事をした。

『いい景色だぁ』

高台にあるこの家の屋上は、街を一望できる。
遠くで光る海が花火を空に咲かせる場所。

昨日の嵐で屋上は、飛ばされてきた葉っぱやなんかで少し汚れていた。

『掃除、開始!』

貴が言うと、皆てきぱき行動する。

こういう日は特別。

『終わったら更に準備開始だ!』

『お!!!』
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