2ねんせいの夏。

後悔の方程式

次の日、親達は
“いつも通り”に
仕事に出かけた。
もう少し休んだっていいのに…と、子供達は思ったが、働くのが趣味みたいな人達なんだと諦めていた。

慎は部活のため学校に行き、
健は野球チームの練習に出かけた。

奈々と亜子、潤は光さんと双子の赤ちゃんを訪ねて家にはいなかった。

家には貴と宏、お手伝いさん達。

『潤と健が、海、連れてけってさ。』

貴が言う。

『この暑い時に!?』

宏は嫌そうに答える。

『いや、暑いから行きたいんだろ?』

貴が言う。

『あ…そうだな。』

宏が納得する。

『明日朝から行くんだって張り切ってたけど、明日は雨だったような…』

貴がテレビのチャンネルを変えながら天気予報を探す。

『雨ねぇ。それ、二人には言わない方がいい。』

宏が言う。

『あぁ?』

『今日行こうって言いだす!奴らは。』

『あぁ!そういうこと。』

貴が納得する。

テレビでは車の事故のニュースが三件続き、続いて海の事故が報道されていた。

『飲酒運転…悪いとわかってても皆自分に甘いから他人を巻き込んでその家族まで巻き込んで…』

『語るね…』

『まぁ結局は他人事…?』
< 99 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop