彫刻
探偵ケロさん
ある探偵事務所の一室。
「おい、スミちゃん!またこんな少ない情報で無茶言うなよ」
「ごめんケロさん!何でも良いの。調べてみてよぉ、お願い!このとおり」
通称ケロさん。編集長の古くからの友人で探偵をしている。黒川も親しくさせてもらっていた。探偵の腕前はよく知らないが、なんでも親身になってくれるこの男を黒川は頼りにしていた。体には気を使っていて、割とスマートな体型を維持している。本人はダンディー気取りだが、あだなの語源である蛙のような顔がなんともしまらない。
「わかったわかった。人のいいわしをいつもこき使いよってからに。どんな情報が欲しいんだ?」
ケロさんは、石田の情報を書いたメモを見ながら聞いた。
「その男の過去を捜してるの。手がかりになりそうな情報ならなんでもいい」
「現住所からたどっていけばなにかわるだろう、スミちゃん。今回も高くつくよ」
どこで見つけてきたのか、趣味の悪いネクタイを締めなおすふりをして黒川にウィンクした。
「はいはい、こんな感じでよろしいでしょうか?ご主人様」
黒川はグラビアアイドルのようなポーズを取って、ウィンクを返した。
「くぅぅぅ。いい!交渉成立!ちょっと時間は掛かるかも知れんが、何かわかったらまた連絡するよ」
おやじはほんと単純である。しかし、黒川はこんな憎めない蛙のダンディーが大好きだった。
「おい、スミちゃん!またこんな少ない情報で無茶言うなよ」
「ごめんケロさん!何でも良いの。調べてみてよぉ、お願い!このとおり」
通称ケロさん。編集長の古くからの友人で探偵をしている。黒川も親しくさせてもらっていた。探偵の腕前はよく知らないが、なんでも親身になってくれるこの男を黒川は頼りにしていた。体には気を使っていて、割とスマートな体型を維持している。本人はダンディー気取りだが、あだなの語源である蛙のような顔がなんともしまらない。
「わかったわかった。人のいいわしをいつもこき使いよってからに。どんな情報が欲しいんだ?」
ケロさんは、石田の情報を書いたメモを見ながら聞いた。
「その男の過去を捜してるの。手がかりになりそうな情報ならなんでもいい」
「現住所からたどっていけばなにかわるだろう、スミちゃん。今回も高くつくよ」
どこで見つけてきたのか、趣味の悪いネクタイを締めなおすふりをして黒川にウィンクした。
「はいはい、こんな感じでよろしいでしょうか?ご主人様」
黒川はグラビアアイドルのようなポーズを取って、ウィンクを返した。
「くぅぅぅ。いい!交渉成立!ちょっと時間は掛かるかも知れんが、何かわかったらまた連絡するよ」
おやじはほんと単純である。しかし、黒川はこんな憎めない蛙のダンディーが大好きだった。