彫刻
悪夢
黒川が自分のマンションに帰りついたのはもう明け方近かった。服を脱ぎ捨てながらそのままベッドに倒れこんだ。体は熟睡を求めマットに沈み込んでいくが、耳の奥で不快な音が鳴り止まない。ギュィ~ッ、ギュィ、ギュィ~ッ、ギュィ・・・
(やめて!頭がおかしくなりそう!)
そして黒川はすぅっと意識を失った。
黒川は物置小屋の前にいた。テーブルの下へもぐりこみ、スコップで地面を掘る。
少し掘り進めると、すぐに小さな手を発見する。皮膚がやけどの痕でいっぱいだ。
その手は黒川の手をつかみ、地中に引きずり込んだ。
地中の大きな空洞に落ちて、尻もちをついた。
男の子の墓穴だ。無数の枯れ葉や、枝が散乱している。
地面から少し突き出た土の台に、頭が乗っかっている。
美しい女性の顔の彫刻だった。目が生きているかのように異常にリアルである。
本物の目がはめ込まれている。・・・そう気づくには、さほど時間はかからなかった。
足元に、かじられた人間の目が、いくつも散らばっていたのだ。
突然、頭の上に、草木のかたまりが落ちてきた。
両肩から異常に細い子供の足が伸びる。あの男の子が肩車をしたように乗っかっている。
ぐいっ、と逆さまになった男の子の顔が目の前に現れた。
手には彫刻刀。
「ギュィッ~、ギュィッ、その目、よこせ・・・」
いくら振り払おうとしても体に力が入らない。(お願いやめて!)
(やめて!頭がおかしくなりそう!)
そして黒川はすぅっと意識を失った。
黒川は物置小屋の前にいた。テーブルの下へもぐりこみ、スコップで地面を掘る。
少し掘り進めると、すぐに小さな手を発見する。皮膚がやけどの痕でいっぱいだ。
その手は黒川の手をつかみ、地中に引きずり込んだ。
地中の大きな空洞に落ちて、尻もちをついた。
男の子の墓穴だ。無数の枯れ葉や、枝が散乱している。
地面から少し突き出た土の台に、頭が乗っかっている。
美しい女性の顔の彫刻だった。目が生きているかのように異常にリアルである。
本物の目がはめ込まれている。・・・そう気づくには、さほど時間はかからなかった。
足元に、かじられた人間の目が、いくつも散らばっていたのだ。
突然、頭の上に、草木のかたまりが落ちてきた。
両肩から異常に細い子供の足が伸びる。あの男の子が肩車をしたように乗っかっている。
ぐいっ、と逆さまになった男の子の顔が目の前に現れた。
手には彫刻刀。
「ギュィッ~、ギュィッ、その目、よこせ・・・」
いくら振り払おうとしても体に力が入らない。(お願いやめて!)