彫刻
編集長に昨日の取材と夢の話をした。夢のことは、自分の勝手な想像なので、あまり詳しく言うつもりはなかったが、あの悪夢から救ってくれた恩人なので、話しておいた。それに、思わず抱きついてしまったので、あらぬ想像をされても困る。
「昨日、そんな怖い思いしたんか、そやけど、その夢、ほんまかも知れんな。その物置小屋の下掘ったら母親の彫刻、出てきよったりして」
「そんな、やめてくださいよ。死んでもなお死に別れた母親を探す彫刻刀を持った男の子。埋められた土の下で母親の彫刻を彫り、生きた人間の目を繰り抜いてきては、そこへはめ込む。これまでの状況を総合すれば容易に連想できることでしょう?わたしが勝手に想像してしまって夢に出てきただけですよ」
「彫刻刀は人の目を繰り抜く道具や思てたんやろ?母親の彫刻までは想像しにくいんちゃうかなぁ、外国には被害者の遺品を見たり触っただけで、犯行当時の状況を言い当てる超能力者も、おるっちゅうやないか」
「わたしにはそんな能力ありません!男の子がいつの間にか後ろにいたことも気づかなかったんだから」
「それなんやけど、その気色悪い歯ぎしりの音、それ聞いた後、動けんようなったんやろ?金縛りの呪文みたいになっとんちゃうか?」
「昨日、そんな怖い思いしたんか、そやけど、その夢、ほんまかも知れんな。その物置小屋の下掘ったら母親の彫刻、出てきよったりして」
「そんな、やめてくださいよ。死んでもなお死に別れた母親を探す彫刻刀を持った男の子。埋められた土の下で母親の彫刻を彫り、生きた人間の目を繰り抜いてきては、そこへはめ込む。これまでの状況を総合すれば容易に連想できることでしょう?わたしが勝手に想像してしまって夢に出てきただけですよ」
「彫刻刀は人の目を繰り抜く道具や思てたんやろ?母親の彫刻までは想像しにくいんちゃうかなぁ、外国には被害者の遺品を見たり触っただけで、犯行当時の状況を言い当てる超能力者も、おるっちゅうやないか」
「わたしにはそんな能力ありません!男の子がいつの間にか後ろにいたことも気づかなかったんだから」
「それなんやけど、その気色悪い歯ぎしりの音、それ聞いた後、動けんようなったんやろ?金縛りの呪文みたいになっとんちゃうか?」