彫刻
「当時は、随分、権力を持ってたようだ。自分の宿の客がそんな死に方したなんて、世間に知られるのが嫌だった旅館のおやじは、村のおえらいさん達を巻き込んで、もみ気したんだ」
「なるほど。そして、村を離れてからも、林さんのお父さんに、ずっと小屋の管理をさせていた、ということですか」
「まぁ、これは、あんたから聞いた情報と、俺の知ってることを総合して、出した、ただの推理でしかないけどな」
「じゃぁ、もうひとつ、石田さんの推理をお聞かせ願います。あの民家の家族は、何故事件に巻き込まれたんでしょう?近くに住んでいたから、それだけなんでしょうか?」
「40年前に既にあいつの恨みを買っていた。と、思うね。あの家の誰か、おそらく主人。遺体遺棄に関わっていたんじゃないかな。自宅前の行き止まりの獣道を、血相変えた連中が、ざわざわ人が入って行くんだ。気にならないほうがおかしい」
「そして、男の子のことを知ってしまった。連中に脅されたか、口止め料をもらって、ずっと黙っていたということですね」
「ああ。民家の主人は、気になって自分も行ってみた。そしたら遺体を囲んで何やら相談しているおえらいさん達に出くわした。そんなところだろう」
「遺体に会った人達は、全員恨まれてるってことですね?」
「あんなとんでもない怨霊だ、相当、呪われているんじゃないかな」
「旅館の主人は、それを察知した・・・もしくは、蘇った少年の姿を見てしまい、怖くなってこの村から逃げた」
「俺もそう思う。いまごろ、もう廃人にされているかもしれない」
「え?大阪まで追いかけて?まさか」
「なるほど。そして、村を離れてからも、林さんのお父さんに、ずっと小屋の管理をさせていた、ということですか」
「まぁ、これは、あんたから聞いた情報と、俺の知ってることを総合して、出した、ただの推理でしかないけどな」
「じゃぁ、もうひとつ、石田さんの推理をお聞かせ願います。あの民家の家族は、何故事件に巻き込まれたんでしょう?近くに住んでいたから、それだけなんでしょうか?」
「40年前に既にあいつの恨みを買っていた。と、思うね。あの家の誰か、おそらく主人。遺体遺棄に関わっていたんじゃないかな。自宅前の行き止まりの獣道を、血相変えた連中が、ざわざわ人が入って行くんだ。気にならないほうがおかしい」
「そして、男の子のことを知ってしまった。連中に脅されたか、口止め料をもらって、ずっと黙っていたということですね」
「ああ。民家の主人は、気になって自分も行ってみた。そしたら遺体を囲んで何やら相談しているおえらいさん達に出くわした。そんなところだろう」
「遺体に会った人達は、全員恨まれてるってことですね?」
「あんなとんでもない怨霊だ、相当、呪われているんじゃないかな」
「旅館の主人は、それを察知した・・・もしくは、蘇った少年の姿を見てしまい、怖くなってこの村から逃げた」
「俺もそう思う。いまごろ、もう廃人にされているかもしれない」
「え?大阪まで追いかけて?まさか」