Contact〜再会した初恋の君に〜
この突然の出会いに戸惑いが隠せなくなって、次の言葉が見つからなくなっていく。
居心地の悪さを感じて、だんだん視線を合わせられなくなっていく。
気がつけば手のひらの汗を抑えるように、私は自分の白衣を握りしめていた。
あぁ…これ以上そのことに触れてほしくないな…なんて考えていたところに、当然だと思うけど次々に質問が飛んでくる。
「卒業してないって、なんで? いったい何があったんだよ? なんで何の連絡もなかったんだよ? それに…じゃあ、なんでここにいて白衣なんて着てる?」
「あぁ…ちょっと忘れ物を届けるのに慌てて来ちゃったから…」
「でも、ここで働いているんだろう? どこにいる?」
「…う…うん」
詰め寄られて言い淀んでしまう。
言わなくてもきっと彼なら調べてくるだろうと察し、ならば自分から言った方が良いと判断して笑顔をはり付けて答える。
「今は心理カウンセラーとして、この病院に週2日勤務してます。実はこの4月からなの。だから…知り合いなんてほとんどいないから名前を呼ばれて驚いたよ」
「えっ…。…そうか…あの……」
瀧本くんは驚いた顔を見せ、次の言葉を探しているようだった。妙な沈黙が息苦しく感じた。
「あ、ごめん。次の予約が入ってるから行くね」
何か言いたそうにしていた瀧本くんに慌てて告げて、その場から急いで離れた。