Contact〜再会した初恋の君に〜
今はちょうどお昼時、この時間はカウンセリングは昼休憩のため予約は入っていない。次の予約は苦しい言い訳で、逃げるための口実だと気づいただろうか。
入院設備もあるこの病院では医師たちは交代で休憩を取っていると聞いた。普段は私のように一般的なお昼休みではないはずだから、口実だと気づいていない可能性もある。
この1ヶ月まったく彼に会うことなくいられたのは偶然だったのか。きっと今日はたまたまこの時間が休憩時間だったのだろう。
だから、会ってしまった…。
夢描いていた未来を知っていた昔の知人に会うにはまだ心の準備ができていなかった。
もうこれ以上何も聞かないで…って、本当はそう言えばよかったのかもしれない。
そんなことを考えながら私はエントランスから見えるエスカレーターではなく、脇にある通路から階段で2階まで登りメンタルヘルス科を目指して走った。