Contact〜再会した初恋の君に〜

宏和は「ごめん」と言いながら、その様子には申し訳なさなんて感じられない。

「…ごめん、なんて思ってないでしょ」

「まぁ、先に奪っておいて良かったかな」

「ファーストキスが宏和だったっていうのは驚いたけど、私も良かった…って思った」

宏和の胸に顔を寄せ呟いた。

「今も…ごめん。もう我慢できない」

言うと同時に荒々しく口を塞がれた。
私の驚きはそのまま声にはならず、宏和の深くて熱いキスに飲み込まれていった。

「…ぁ……んっ……」

「好きだ…紗希。ずっと紗希だけを想い続けてた」

宏和が何かを思いついたようにキスを止め立ち上がる。

彼の熱が離れたことに寂しさを感じた次の瞬間、体がふわっと浮き抱きかかえられていた。とっさに彼の首に腕を回して浮遊感を感じていると、ふわりとベッドの上におろされた。

「やっぱり紗希の初めてがソファでなんて良くないだろ」

宏和の瞳の奥にある熱を感じて、さらに心臓のドキドキという音が大きくなった気がした。

「紗希…大事にする」

「うん……」とだけ言って、宏和の首に腕を回した。これが今の私の精いっぱいの返事だった。

その夜、私は大好きな宏和にとても丁寧に優しく抱かれて、好きな人と想いと身体を重ねることの幸せを知った。
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