Contact〜再会した初恋の君に〜

翌日、目が覚めた時には宏和の腕の中にいた。触れ合う素肌が昨夜のことを生々しく思い出させる。

恥ずかしくなってしまった私は、彼の腕の中でモゾモゾと動いていると、上から寝起きの掠れた声が聞こえてきた。

「…おはよう。うーん…何時だ?」

「お、おはよう…」

「9時か…。紗希、体…大丈夫か?」

「う、うん…大丈夫…」

「そうか…よかった。大事にするなんて言っておいて、途中から歯止めがきかなくなったからな。ごめん」

「もう、恥ずかしいってば」

「そうやって恥じらう姿を見るとまたしたくなる…。あんまり煽るなよな」

そんなことを言いつつ、唇に軽く触れるだけのキスをして、ベッドから抜け出ていく宏和の背中を見ていた。

本当に顔が綺麗なだけじゃなくて、ほどよく筋肉のついた引き締まった男らしい体を見ていると、今までどれだけの女性を虜にしていたんだろう…なんて思ってしまう。

宏和は本当に私でいいのかな…。

ふと、彼の背中を見ながらそんなことが頭をよぎり、ボーっとしているとシャツを羽織った宏和が振り返った。

「紗希? どうした? やっぱり体辛いか?」

ベッドに片方の膝をつき乗り上げてきた宏和が、私の頬に手を当て体調を気づかってくれる。

「…あ…。だ、大丈夫…」

「じゃあ、ベッドから出てきて。何か食べよう。お腹空いただろう」

「うん」

「でも、まずは…」

言いかけた言葉を聞く前にチュッと触れるだけのキスをされる。

至近距離で見つめてくる瞳はひときわ甘かった。
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