Contact〜再会した初恋の君に〜

その翌週も…といった感じで、俺たちは週に一度は俺の家で過ごす時間を取るようになった。

「今日は何か観たいものある?」

それと一緒に映画やテレビを観ているうちにわかったことがある。

それは俺たちが感動するところや驚くシーンなどが同じ場面であるということ。

ニュースを観ていても気になるポイントが同じだ。

こういうの…感覚…感性…というのだろうが、いろいろと似ていると感じる。

そういえば高校生の頃、放課後に祐貴や佳純と4人で話していた時も『お前たち、二人で同じこと言うなよな。まったく…。お前らよく似てるよ』なんて、祐貴に呆れられたことがあった。

あの頃はそれが恥ずかしくて否定していたが、今は素直に嬉しいと思う。

忙しい中、夏休みの予定も立てる。

「よう、瀧本さ。夏休みは紗希ちゃんと出かけるのか?」

「そのつもりですけど。っていうかそれ当然でしょう」

「はぁ…。いいよな。彼女のいるやつはさ。俺なんかまだ独り身なんだそ。いつになったら女の子紹介してくれるんだよ」

「あ…忘れてました」

「どうせ、紗希ちゃんとどこ行こうとか、何したいとか考えてたんだろう?」

「その通りです」

「開き直ってんじゃねえよ…。この優しい先輩が後輩のために身を引いたから、お前が紗希ちゃんと付き合えるようになったんだろ」

別に先輩が身を引かなくても、たぶん紗希は先輩とは付き合わないと思う…が、そこはあえて言わない。

「はい。ありがとうございました。じゃあ、夏休みの調整もよろしくお願いいたします」

そう告げて先輩の元を離れて行く。

「お、おう。そう素直にお礼を言われると…って、瀧本、お前どこ行く?」

「仕事戻りますよ」
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