Contact〜再会した初恋の君に〜
夏休みは一泊でもいいから旅行に行こうと計画し、ちょっと奮発して部屋に露天風呂が付いている所にした。
「わぁ、本当に部屋に露天風呂があるんだね」
「そう。だから一緒に入るぞ」
「え? や、恥ずかしいからいいよ…。宏和が先に入って」
「一緒じゃないなら、俺は後でいいよ」
「じゃ、じゃあ、お先に入らせてもらうね」
「あぁ…」
当然だけど紗希が風呂に入ったのを確認して、すぐに俺も入った。
「紗希…ごめんな」
「えっ!? な、なんで入ってきてるの?」
「待ってられなかったから」とニッコリ笑って湯船に浸かった。
はじめは恥ずかしがっていた紗希だったが、俺が後ろから包むようにしてやると、体を預けてくるから安心した。
でも、紗希の滑らかな肌に直接触れるだけですぐに我慢の限界がくる。
夜でも気温は高いからすぐに体が温まり、長くは入っていられなくて、バスタオルで体を拭くとそのまま並べて敷かれていた布団まで抱いていく。
部屋の中はエアコンで冷えていて気持ち良かったが、二人の熱と気持ちは冷めないまま夜を過ごした。
紗希があまりに可愛くて、思い出すだけで熱い想いが溢れてきそうだった。
朝、目が覚めると紗希が俺の隣で規則的な寝息をたてていた。
「また無理させちゃったな…」
化粧をしていないと高校生の頃とあまり変わらないな…なんて思い、紗希の寝顔を観察し幸せに酔いしれる。
愛しさが溢れてつい頭を撫でてしまうと、紗希が身じろぎしパチリと目が開いた。近くで寝顔を見ていた俺の顔を見て恥ずかしそうにする紗希は本当に可愛かった。
「おはよう」と声をかけ、頬にキスを一つ落とした。