Contact〜再会した初恋の君に〜
近づく不穏
佳純ちゃんと宮下くんの結婚式も終わり、カレンダーは10月になっていた。
二人の結婚式で高校の同級生や大学の時の知人に再会するのかと思うと少し憂鬱な感じがあったのだけど、宏和がずっと隣にいてくれて私を守ってくれていた。
思っていたよりも普通にしていられたのは、宏和のお陰だ。
佳純ちゃんたちのようにお互いを愛おしく想いあっている、そんな二人の様子を見ていて、私も結婚というものに憧れを抱くようになった。
ずっと側で見守ってくれた宏和の優しい瞳に心が暖かくなり、その相手は宏和しかいない…そう思った。
披露宴が終わって帰ろうと挨拶をしに行ったら、佳純ちゃんがカラードレスの時に持っていたブーケを『次は紗希ちゃんと宏くんの番だよ』と渡してくれた。
宏和は私を抱き寄せ幸せいっぱいの二人に『ありがとう。次は俺たちの番だな』なんて言い、貰ったブーケを見て喜んでいた。彼はそもそも結婚を前提にということを付き合い出す前から言っていた。
正直、実感がなくてうやむやにしていたけど、一緒に過ごす時間が心地よいのでこのままずっと側にいたいと私も思うようになっていた。
そう…この時は、宏和と暮らす二人の未来が重なったと思っていた…。