Contact〜再会した初恋の君に〜
「11時45分か。ちょっと遅いかな…」
結構遅い時間になってしまったが家に帰ってすぐに、紗希に今日のことを話して謝ろうと考え電話をした。
だが、呼び出し音がなるばかりで、紗希の声を聞くことはできなかった。
「もう寝ちゃったかな…。とりあえず、メッセージだけ残して、また明日、電話するか」
この時の俺はそんな風に深く考えることもなく『今日はドタキャンしてごめん。明日また電話するな』と送って眠りについた。
そして、翌日松本先輩から声をかけられ、昨夜の自分があまりにも甘く考えていたと反省することになった。
「瀧本。お前さ…紗希ちゃんのことどうなってるんだよ」
「別にどうってこともないですよ」
俺たちは先日の祐貴たちの結婚式後に少しずつだが将来の話もし始めていたくらい順調だ、と俺はそう思っていた。
「じゃあ、なんで金田さんと二人でデートなんてしてるんだよ」
「はあ? 別にあいつとデートなんてしてませんけど」
俺は松本先輩から言われたことの意味が分からず、誤解されていたことに不機嫌な声で返答した。