Contact〜再会した初恋の君に〜

他の男がさらっていくだって!? そんなことは絶対にさせない。

そう決意を固めて紗希に連絡するが、いくらコールしても電話には出ない…。

「…紗希、出ろよ。…頼むから…俺の電話に出てくれ…」

祈りながら何度も電話をしてはコール音を聞く。

今日は水曜日、紗希は病院にはきていない。今すぐにでも会って説明したいのに…。

昼休みであろう時間に電話をしてみるが、彼女が電話に出ることはなかった。

「仕方ない。夕方にもう一度掛けるか…」

いつも水曜日は休暇のことが多い俺だが、あいにくシフトを代わっていて今日は迎えにも行けない。

なんとしてでも今日中に紗希にきちんと説明したかった。

でも、夕方に電話をかけてもコール音だけが虚しく鳴り続ける。

夜にも電話してみたが今度は充電切れなのか紗希の電話が繋がることはなかった。

俺はメッセージを送ることしかできず、明日病院で紗希に直接会って説明することにした。

この時の俺は明日は紗希に会えると信じていた。

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