Contact〜再会した初恋の君に〜
紗希
宏和と金田さんが腕を組んで仲良さそうに歩いている場面が、一晩経った今朝も脳裏に焼きついていて辛い…。
今日は水曜日、寝不足ではあるけれど仕事に行かなくてはと体を起こす。病院勤務日でないことが唯一の救いだった。
再度、二人の仲良さそうな姿を見てしまったら、きっと私の心は苦しくて堪えきれなくなるだろう。
いろいろ考えて明日は休暇を取らせてもらおうと昨夜のうちに真紀子さんに連絡を入れていた。
八神総合病院に行ったらきっと宏和と金田さんが一緒にいるところを見てしまう。また、二人が並んで歩いているところを目の当たりにして冷静でいられる自信がなかった。
なにより金田さんに会いたくなかった。
また何かを言われたとしたら、今度は対峙できる気がしなかった…。だから、気持ちの整理ができていない私はとりあえず逃げることにしたのだ。
来週の火曜日までに気持ちの整理がつくとは思えないけれど、とにかく今は考える時間が欲しかった。
私が今考えたいことは二人のことではなく、自分の気持ちだ。
噂が本当だとしたら私はどうしたらいいのか。
空いた時間にそんなことを考えていた。