Contact〜再会した初恋の君に〜
昼休みに紗希に会いにカウンセリングルームに行くとすでに休憩に出た後だと言われ、紗希を探しに行く。食堂に紗希の姿はなく、カフェの方へ行ってみようとエレベーターで1階まで下りている途中で紗希の姿を見つけた。
見つけた紗希は俺が知らない男と二人で歩いている。1階までの時間がやけに長く感じられ焦る。
そこで松本先輩からの忠告を思い出した。
『お前、今脳外の方に臨時できてる奴って知ってるか? 紗希ちゃんのことをいろいろと訊き回ってるって。どうやら目つけてるらしいぞ』
来たばかりで、なんで紗希のことを訊き回れるのか…。それはきっとあいつが紗希のことを前から知っていたからなんじゃないか。もしかしたら元カレじゃないかと、そう直感的に思った。
エレベーターを降りて、二人が歩いていった先であろう中庭に行く。
「確か…中庭の方に行ったはずなんだが…どこだ?」
ベンチに並んで座る二人を見つけた。
足を早め二人に向かい近寄って行くと二人の会話が聞こえてきた。
「…言ったよね。紗希に会いたくて、ここまで来たって」
聞こえてきたあいつの言葉に焦りと怒りを感じながらさらに二人との距離を縮めていった。