Contact〜再会した初恋の君に〜
紗希
「だから…会ってどうするつもりなんですか?」
「やり直したいって、それも言ったはずだよ。あの日の紗希は少し酔ってたみたいだから覚えてない?」
覚えてる。答えは決まっているはずなのに、宏和とのことに自信がなくなった私は無言になってしまう。
「……」
もう人を好きになれるのかすら自信がなくなっているのに…。そう思ったら膝の上に置いた手を握りしめ、俯いたまま一点を見つめていた。
私には他に好きな人がいると答えたら諦めてくれるのだろうか…。その人が誰と付き合っていてもその人のことが好きだから先輩とは付き合えない、とでも言えばいいのか?
先輩へ返事ができず考えを巡らせていると、どこからか私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。