Contact〜再会した初恋の君に〜

「嘘だってバレちゃいますよね?」

「まあ、バレちゃうでしょうね」

再びクスッと笑いながら「当然でしょう」と答えられると、そうだろな…と諦める。

「ですよね…」

肩を竦めて困った顔をする。

「最近の紗希ちゃんは落ち着いてきてたから、アワアワしてる紗希ちゃんが久しぶりで可愛いわ」

「可愛くなんてないですよ。もう、本当に焦ったんですよ」

腕を腰に当て頬を膨れさせて抗議をする。

子供の頃から姉のように慕っている真紀子さんだから素直な感情が出てしまうが、そこは私の元カウンセラーでもある真紀子さん。話し足りないことを察してくれたようで。

「はいはい。ねぇ、紗希ちゃん…。今日は仕事の後って何か予定はある?」

「あ、特に予定はないです」

「よかったら夕飯を一緒に食べましょう。そこでちゃんと聞いてあげるわ」

「え、いいんですか。じゃあ、よろしくお願いします」

今さらくよくよしてもしょうがない、と気持ちを切り替え午後の業務に備えた。
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