Contact〜再会した初恋の君に〜

「俺の祖母の実家が麻帆の家の近くにあって、家族で曽祖父の家に遊びに行くことが何度かあったんだ。あっちに行くと親同士も知り合いだしってことで麻帆とも会って遊んだりしていた」

「だから、宏和のご両親とも知り合いだったのね」

「あいつの家も病院経営してるし、大学でも一緒にいることも多かった。俺にとってあいつは妹のような存在だったんだが、あいつは違ったみたいだな。あいつの中では俺は恋愛対象で、さらに付き合っていたことになっていたらしい」

「…やっぱり金田さんは宏和のこと好きだったんだね。あの時、私なんかに渡さないって強い思いを感じたの」

「でも、俺が好きなのは紗希だ。繰り返しになるけど紗希以外の人とは結婚しないよ」

「彼女に宏和の妻に私は相応しくないって言われて…。それに宏和の両親からも自分が妻として認めてもらえているとも言われて、私が邪魔者なんだって思ってしまったの」

「両親には俺が結婚したい相手は他にいると話してきた。ちゃんとわかってくれたよ。だから今度、俺の親に会ってくれないか? いや、紗希のご両親に挨拶する方が先か」

「ねぇ…本当に私でいいの?」

紗希の瞳が不安で揺れているのを感じ取る。
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