Contact〜再会した初恋の君に〜
「俺さ…紗希以外の人とは付き合ったこともないんだ。8年前からずっと紗希だけを想い続けてきた。再会できてやっと気持ちが通じたんだ。もう絶対に離さないよ」
改めて紗希と向き合い、彼女の手を取って、真剣に想いを伝える。
「俺の気持ちは高校生の頃からずっと変わってない。この先も紗希と一緒にいたい。だから…俺と結婚してください」
紗希の左手を持ち上げて左薬指にはめられている指輪に口づける。
「今度はもっときちんとした指輪を贈るから、それをここにはめてくれる?」
俺は指輪から唇を離し、熱い眼差しを紗希に向けて返事を待つ。
ドキドキと心臓の音が響くその沈黙の時間がとても長く感じていたところで紗希の小さな声が聞こえた。
「…はい……」
頷きながら震える声で承諾してくれた紗希の瞳から涙が溢れる。
紗希の側まで行き、彼女を俺の胸の中に収めると心が喜びで満ちていった。
「ありがとう…」
彼女の耳元で囁き、そのままチュッと軽くキスをした。
その夜、俺たちは今まであまり話してこなかった離れていた間の話をたくさんした。