Contact〜再会した初恋の君に〜
「俺はそんな紗希を尊敬する……」
私の肩に手を回し引き寄せたかと思ったら、頬にキスをされた。
「今、ここに紗希がいてくれる、それが何より嬉しい」
「とても一人では立ち直れなかった。だから、私は私を支えてくれた人たちにとても感謝してるの」
「あぁ…。紗希が立ち直れたのは真紀子さんやご両親のお陰なんだな」
「それと、佳純ちゃん。佳純ちゃんはすべてを見ていて、それを学校側にも説明してくれたりしてたのよ。信じて貰えなかったと謝りにも来てくれた」
「佳純が? だからあいつ俺にマウント取ってきたのか。でも他にも俺のいない間に紗希を助けてくれた人たちに感謝しかないな」
「うん…。特に真紀子さんは両親とも知り合いで子どもの頃からお世話になってる人なの。宏和とのことも真紀子さんに言われなかったら私ずっと逃げていたと思う」
話し終えた紗希に腕を伸ばして抱き寄せ耳元で囁やきかける。
「話してくれてありがとう。本当はその時に俺が側で支えたかったけど、これからは俺が紗希の側にいて支える。ずっとだ」
「うん。ありがとう。私も宏和とずっと一緒にいたい…」
「愛してるよ。紗希」
「私も…愛してる」
お互いの気持ちを伝えると自然と唇が重なった。
唇を離した後、交替でシャワーを浴びることになり先に浴びた私は宏和が出てくるのをリビングのソファで待っていた。
待っていたはず…なんだけど、いつの間にか睡魔に襲われ眠りについてしまった。そんな私を宏和がベッドまで運んでくれた。
フワフワとした浮遊感を遠くに感じていたのに睡眠不足だった私は目を開けることはできなかった。