Contact〜再会した初恋の君に〜

「それでね。うちの呼吸器内科の先生が一人研修でアメリカに行っちゃったでしょ。だから頼んだみたいよ。瀧本先生はダンディな人だし、そういえば甥っ子さんもイケメンさんだって噂になってたわ」

「じゃ、じゃあ…瀧本くんもこの4月からここに勤務していたってことですか?」

「そうよ〜。二人とも瀧本だから、甥っ子さんはヒロ先生とか呼ばれてたかな?」と明るく答えてくれる。

「はぁ…そうなんですか…全然知りませんでした」と気の抜けたように返してしまった。

「紗希ちゃんはここには週2日しか来ないし、出勤した日もカウンセリングルームにいることがほとんどですもんね。知らなくて当然よ」

「まぁ、そうなんですけど…」

「そのうち他の科にも行くようになれば、紗希ちゃんもいろいろ情報が入るわよ」

それでも1か月経つのに知り合いが少なすぎるのかも…と考えた。

「まぁね。ヒロ先生はあの見た目だし、院内の若い女の子たちの間でかなり話題になっていたから。ふふっ…存在を知られてなかったなんて、彼、ちょっとショックだったかもしれないわね」
< 20 / 185 >

この作品をシェア

pagetop