Contact〜再会した初恋の君に〜
「だから、彼が紗希ちゃんのことすぐにわかったっていうのは、それだけしっかり記憶に残っていたってことでしょう。そうでなければただすれ違っただけでは声をかけられないわよ」
「そうでしょうか。瀧本と田中で出席番号が続いていて、クラス委員も一緒にしてたから、なんとなく覚えていた程度だと思いますよ」
「ふ〜ん。でも、高校生だった紗希ちゃんが大人の女性になってても、ヒロ先生は紗希ちゃんのことすぐにわかったのよ。なんとなくなんかじゃないと思うけど…」
真紀子さんはワインを飲みながらニッコリと笑って言う。
「もう、何言ってるんですか。私の見た目が高校生の頃と対して変わってないから、きっと瀧本くんは気がついたんですよ」
実際に私の方は髪型もあの頃と変わっていないし、多少お化粧したところで見た目はあまり変化がないと思われる…。
「そうですよ~」と続けて言った。