Contact〜再会した初恋の君に〜

「でも、紗希ちゃんのこと、うちのドクターたちが目をつけだしたみたいよ。最近よく訊かれるのよね~。いろいろな人から『あの子誰ですか?』って」

「も、もう…。何言ってるんですか。私のことを気にかける人なんていませんよ」

「そうかしら…。紗希ちゃんは可愛いし、うちの秀哉がもう少し年が近ければお嫁さんに欲しいくらいなのよ」

「真紀子さん、勝手なこと言ってたら秀哉くんに怒られますよ」

「まぁ、秀哉は子どもの頃から紗希ちゃんのことはお姉さんくらいにしか思ってないか…。でも、独身のドクターたちが訊いてきてるのは本当だからね」

とても意味深に笑う真紀子さんに「もう、食べましょう」と告げ、目の前にある美味しそうな料理に手を伸ばした。

うまく誤魔化せたかはわからないが、瀧本くんのことも他のドクターのことも深く考えることが怖くもあり、その後は仕事の話をした。
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