Contact〜再会した初恋の君に〜

一度実家に戻る時、その子に会いたいと思い連絡をしようとしたがメッセージのアカウントは見つからず、電話番号も変わっていて連絡の手段を失ってしまった。

彼女と同じ大学にいった共通の友人からは「そういえば最近会っていないな」とか「今度会ったら連絡先を伝えるように話しておく」と言われたが、一向に連絡はなかった。

もうこちらに生活の基盤を移したのだから、彼女とコンタクトが取れるようにしたいな…。

そんなことを考えながら会話を続ける。

「まあ、俺たち毎日忙しいしな。そもそも職場以外で女性と知り合う機会がないんだよな。それでだ、まずは俺が声をかけるんだからから、お前は彼女には絶対に声かけるなよ」

「大丈夫ですよ。俺、その子の名前も顔も知りませんから」

「おう、名前も顔もずっと知らないままでいいぞ」

「はいはい…」

毎日覚えることやらなければならないことに追われていて、先輩とそんな話をしていたことなどすっかり忘れてしまっていた。
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