Contact〜再会した初恋の君に〜
ここで再会できたなら今度こそは彼女を捕まえたい…そんな気持ちが瞬時に湧き上がってきた。
彼女に近づいて、まずは俺を覚えているのか確認するが、ここでも俺と彼女とは温度差があった。
一瞬落ち込みそうになったが幸いにもすぐに思い出してくれて、俺の印象も悪くなさそうだし、あわよくばこのままデートにでも誘おうかと思案していると、予想もしていないことを言われて動揺してしまった。
『……私は医者じゃないよ』
医学部に進学したはずの田中が医者ではないだって?
実家の病院を継ぐと言っていたんじゃなかったか?
彼女と同じ大学に進学した俺の友人はたくさんいたが、誰も彼女のことを教えてはくれなかった。
そして、今目の前に立つ彼女は心理カウンセラーとして勤務していると言っていた。