Contact〜再会した初恋の君に〜

「瀧本。お前さ、彼女と知り合いなのかよ?」

「はあ? あの…彼女って、誰のこと言ってますか?」 

「カウンセラーの田中紗希ちゃんだよ」

「あ…あぁ。田中ですか、高校の同級生ですよ」

彼女に声をかけた時間と場所が悪かったか…。

いきなり突っかかるように声をかけられた。松本先輩が見ていたとなると、他にも俺が彼女と話していたところを見ていた人はいただろう。

「まさか…“彼女”だったなんてことはないよな?」

…ああ…前に話していた“好きな子”だったかの確認か? そう感じ取る。

「彼女ではなかったですよ。残念ながら…」

「残念ながらって…なんかその言い方おかしくないか?」

「そうですか? ずっと…匂わせていたんですけどね。彼女、だいぶ天然だったから…」

「ふーん…。随分と仲良かったみたいだな」

「まあ、あの頃は一緒にいることも多かったので…」

「なあ、今度彼女誘って飲みに行かないか? 高校の同級生だったなら、お前誘ってきてくれ…」

一緒に飲もうって、完全に俺をだしに使おうとしているような先輩の言葉を遮った。
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