Contact〜再会した初恋の君に〜
「嫌ですよ」
「はあっ!? いいじゃん。誘えよ。仲良かったんだろう」
「だから、嫌ですよ。俺が個人的に誘おうと思ってるんですから」
「えっ!? まさか…」
「まさかって何ですか? 別にいいじゃないですか」
「よくない。ああぁ〜。お前がライバルとかマジ嫌なんだけど」
頭を両手ではさみ上を向き、大袈裟に嫌がる先輩なんて気にしていられない。
「まぁ、これからはライバルなんで、よろしくお願いしますよ」
この時心の中では松本先輩をライバルだなんて思ってもいなかった。
「勝ち目ないだろう…はあ…」
「分かりませんよ。8年前、俺玉砕でしたから」
項垂れる先輩を気にかけつつ、昔のことを思い出してしまい笑いが止まらなくなりそうだった。
これからまた田中と同じ場所に勤務できるなら、もう遠慮しないでガンガンにぶつかっていこうと考えて楽しくなっていた。