Contact〜再会した初恋の君に〜
side 紗希
私と瀧本くんが同じクラスになったのは高校2年の時だった。
瀧本に田中とくれば当然出席番号は近くなる。4月に初めて教室に入り自分の席を探すと前に座っていた人が瀧本くんだった。
都内でも有名な幼稚部から大学まである偏差値も高めなこの学校に幼稚部から通っていた瀧本くん。彼は中等部から常に学年トップの成績であったと聞いた。
そして、そんな彼は中等部から生徒会役員をしていて、女子からも男子からも人気があり、先生方からの人望もあった。と高校から入学した私はそんな噂を聞いていた。
しかも、身長は180センチもあって、少し長めの前髪を掻き上げる仕草がよく似合う文句なしのイケメンで、さらに彼の家は大きな総合病院を経営している。
これでモテない訳がない、と誰もが思う人だ。
少しでも自分に自信がある女子は彼を放ってはおかないだろう。
私は1年生の時に彼に女子が群がっているのを見かけて、そう感心していたものだった。
同時に自分が関わりになることはないと思っていた。
そんな瀧本くんがクラス委員に推薦されて面倒くさそうにしていた。
それでも引き受けようという姿勢を感じ、真面目な人でもあるのだろうと感心していた。