Contact〜再会した初恋の君に〜
彼女は国内でも有名な商社に勤務をしていたキャリアウーマンだった。
ある日取引先の人からセクハラをされ、それを社内で上司に報告したところ、その相手がかなりの権力を持っていたらしくパワハラを受けた、と聞いた。
その結果、退職を余儀なくされ、心が壊れてしまったということだった。
メンタルヘルス科の医師が治療した結果、症状が良くなってきた彼女が、自分からまた社会に出たいと考え、再起できるようになるまで、医師とカウンセラーとでサポートしていくことになっている。
その彼女は少しずつ前を向き始めている。
いつもは家族の送迎かタクシーで来院している彼女だが「今日はラッシュ時間ではなかったから一人で電車に乗って来ることができた」と話してくれた。
「帰りも頑張ってみようかな」と前を向いている発言を聞いたばかりだったので、無事に忘れ物を届けられて良かったと一息ついた。
外は暖かく爽やかな風が心地よい今日。駅までの道のりも気持ちよく歩いていけるだろう。
頑張りすぎてしまう傾向がある彼女だから、適度な緩さをうまく身につけて、再起できると良いと考えている。
私がそうだったように、彼女が再び前を向いて一歩を踏み出せるまで協力していきたい。