Contact〜再会した初恋の君に〜

瀧本くんが先生から信頼されているせいか、クラスの仕事だけじゃなく、学年の仕事までもらってくるから、他クラスのクラス委員より作業が多く感じていた。

何かと先生たちから用事を頼まれては、放課後に二人で一緒にいることが増えた。

1学期も終わりに近づいた頃、二人きりの教室で作業をすることがあった。だからずっと聞いてみたいと思っていたことを聞いてみた。

「ねぇ、瀧本くんさ。なんで私をクラス委員になんて推薦したのよ」

「ん?…あぁ、あの時はクラスの女子のほとんどが手を挙げていたからさ。だから、逆に手を挙げていない田中が目立ってた。それに田中だったら成績上位者の常連だから、逆らう奴もいないと思ってさ」

「はあ…。そんな理由で決められて、こんなに雑用をさせられるとは…」

そう、勉強が嫌いではない私は瀧本くんには敵わないが1年の定期テストではだいたい10位以内には入っている。

2年になってからは文系と理系に分かれたこともあり、1学期末の定期テストでは3位だった。当然瀧本くんは1位だったけど。

人の成績なんて興味もないのかと思っていたのに、私の成績を知っていたのには驚いた。

一度頭をガックリと落とし、上目遣いで睨む。
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