Contact〜再会した初恋の君に〜
別の大学に進学したことで彼への憧れも自分の気持ちにも終止符をうった。
大学1年の夏休みに入学してから始めたボランティア活動で知りあった同じ大学の先輩から告白された。
その人も実家が病院を経営していて、見た目も爽やかな素敵な男性だった。
なんとなくなんだけど瀧本くんと似てる…そう感じる人だった。
会えば優しかったし、私を大事にしてくれているようにも思えたから、誘われるままに付き合った。
しかし、その先輩は女の子たちからとても人気があり、一緒にいるとヒソヒソと囁く声が聞こえてくることがあった。
さらに彼には親が決めたという婚約者まで現れた。当然だけど自分では知らないうちに私は先輩の婚約者から目の敵にされていた。
そのお相手の子が学部は違っていても同じ大学に通っている同じ学年の子だということを私は付き合いだした後に知った。
他人からあれほどの悪意を持たれたことが今までなかった私はその後その先輩とは別れた。
とにかく初めて経験した男性とのお付き合いには良い思い出がなくて、もう誰かを好きになるということ自体に臆病になった。
その結果、もう恋愛なんてしない…。
あの時からそう考えるようになってしまった。