Contact〜再会した初恋の君に〜
今日も空と同じように厚くて暗い雲が俺の心の中にも広がっていた。
原因は昼の休憩時間からウキウキして戻ってきた松本先輩が、俺を見てニヤリとした顔で自慢してきたからだ。
「今日も紗希ちゃんとお話できちゃった〜。ホントかわいいよな。なんか癒されるんだよな」
「えっ?! また田中に会ったんですか?」
「今月はよく7階の食堂で見かけていて、声をかけたら『どうぞ』なんて結構フランクに応えてくれるようになったんだ。彼女、やっぱりかわいいよな」
ほぅっと息を漏らす先輩に呆れつつ、自分が会えていないことに不満が溢れる。
「今月ですか? 俺もよく食堂には行きますけど、一度も彼女とは会ってませんよ」
「俺はもう4回も会えたんだよな」
自慢げに話す先輩にムカッとしてきたが、顔には出さないようにして聞き続ける。