Contact〜再会した初恋の君に〜

叔父に中庭で会った日の週末に幼稚部から一緒だった親友の祐貴が同じく幼稚部から一緒の佳純と結婚すると連絡をもらい、俺たちは久しぶりに会う約束をした。

俺が北陸の大学に行き、祐貴はアメリカの大学へ行ったこともあり、ほとんど会うことはなかったが連絡はよく取り合っていた。

だから、二人の結婚報告にやっとか、という思いだった。

久しぶりの週末休みに懐かしい二人に会うと佳純がニッコリ笑いながら訊いてきた。

「宏くんさ…紗希ちゃんと同じ病院に勤務しているんだって?」

「……そう…だけど…。なんで佳純が知ってる?」

突然のことで、一瞬息が詰まった。

「紗希ちゃんが宏くんに会って驚いた、って連絡くれたからだよ」

当たり前でしょ、と仲の良さを見せつけられる。

「佳純、彼女の連絡先知ってるのか?」

「えっ。宏くん知らないの?」

「高校の時の番号にかけたら別の人が出たから…。アカウントも変わってて…。知ってるなら教えてくれよ」

俺は彼女とコンタクトを取りたくて必死だった、というのに。こんなところに伝手があったのかと晴れやかな気持ちになる。
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