Contact〜再会した初恋の君に〜
「あ、え、えっと…。あの瀧本くん?」
「あのって…そうだけど。やっぱり田中だった」
そう名前を聞けばわかる。あの頃によく見た彼の綺麗な顔が今私の目の前でほころんでいた。
「な、なんでここにいるの?」
「なんでって…」
「あ、なんか髪型のせいかな…ぜんぜんわからなかったよ。当たり前だけど大人になってて…なんか昔とは別人みたい…」
自分の前髪を触りながら、高校生の頃に長かった彼の前髪が短くなっていることを示した。
「あ…髪型?」
明らかに違う髪型のせいでわからなかったんだと思ってくれた様子に安堵する。
前髪で目が少し隠れていた時も綺麗な顔立ちだと思っていたが、隠すものがなくなり大人になった彼の顔は精悍さが増していた。
「お前は変わってないな…。でも、ちゃんと大人になってるな」
「あぁ…うん? ちゃんと大人ってなんか失礼じゃない?」
もしかして、私が成長してないみたいに見えるのかな…?
そりゃあ身長は伸びていないから、そういう意味では成長してませんけど。でも、中身は成長してるんだから。そう思って腕を組んで少し怒っているような態度をとる。