Contact〜再会した初恋の君に〜
「あ。再来週だけど紗希ちゃんと会うよ」
「え…。お前たち今でも会ってたの?」
佳純の言葉に希望の光を見つけたと思った。
「ちょっと間が空いたけどたまに会っていたよ。それで今回は結婚の報告をしようと思ってたんだけど…。そうか…祐貴と宏くんも一緒にご飯食べればいいんだ」
「お、それいいかも。俺と宏和が一緒にいるところにお前たちと偶然会ったってなれば、彼女だって逃げないだろうしな」
うんうん、と二人は頷いている。
「それ、協力してくれるのか?」
「当たり前じゃない。だって私たちも二人が上手くいって付き合ってくれたら嬉しいよ」
ねえ、と祐貴に同意を求める佳純を祐貴が頭を撫でながら愛おしげに見つめ頷く。
俺はそんな二人の仲睦まじい様子が羨ましかった。
「再来週のいつなの?」と祐貴が確認すると金曜日の夜だと言われ、夜勤を誰かに代わって貰わなければならないと考えた。
「その日、絶対になんとしてでも都合をつける。だから、佳純は田中に計画的なことを悟られないようにしてくれよ」
「任せて!」と楽しそうに答える佳純に「宏和の長い片想いがうまくいくといいな」と祐貴も笑顔を見せてくれた。
俺は早速叔父に再来週の金曜日の夜勤を交代してもらうようにお願いした。