Contact〜再会した初恋の君に〜

「今日はどこに行くの? 佳純ちゃんのお勧めしてくれるレストランって、いつも美味しいところだから期待してるんだ」

「今日は最近よく行くところなんだ。カジュアルフレンチのお店なんだけど、とっても美味しいの」

「わぁ、楽しみ」

二人で並んで他愛もない話をしながら歩く。

「そういえば、佳純ちゃんの会って話したいことって何?」

「あ…お店着いてからでもいい? もう着くんだ。あそこなの」

佳純ちゃんの話したいことはもしかしたら宮下くんとようやく結婚するという話ではないかと予想していた。

二人はお互いの家が決めた婚約者同士で小学生の時には反発していた頃もあったらしいけど、私が知っている限りではとても仲の良い恋人同士という印象だった。

社会人になって3年が過ぎた佳純ちゃんは仕事のペースもだいぶ掴めてきていたと言っていたから、彼女にとってちょうど良いタイミングなのかもしれない。
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