Contact〜再会した初恋の君に〜
「祐貴。ど、どうしたの?」
「よ、佳純。お前こそどうしたんだよ」
「わ、私は紗希ちゃんに報告しようと思って…今日は食事に…」
「へぇ。偶然だね。俺も宏和に報告するためにここに来たんだ」
宮下くんが「田中さん、久しぶりだね」とニコリと微笑んだ。
「あ、宮下くんもお久しぶり…です」
挨拶だけして通り過ぎるのだろうと思っていた私は宮下くんの提案に驚いた。
「せっかく高校の同級生が揃ったんだから、一緒にどう?」
振り返り私の様子を気にかけてくれる佳純ちゃんの報告が何なのか、その予想ができた私は瀧本くんに気まずさはあるけれど首を立てに振った。
私が頷いたのを見た宮下くんが店員に声をかけた。
「すみません。彼女たちもこちらの席にお願いします」
「ごめんね」と手を合わせてくる佳純ちゃんは当然というように宮下くんの隣の席に座った。
佳純ちゃんが「もう、メニューは決めたの?」と隣にいる宮下くんに聞くと「俺たちも来て間もないからまだだよ」と答え、スマートにコースメニューを注文してくれた。