Contact〜再会した初恋の君に〜
「ねぇ。私も食事代半分出すよ。いくらだった?」
「いいよ。今日は俺がみんなの分ごちそうする」
「でも、二人のお祝いだし…。私も出したいなって思ったんだけど…」
「俺が田中にもごちそうしたいと思っていたから。だから、素直に受け取ってくれ」
「…うーん。じゃ、素直にごちそうさまでした」
軽くお辞儀してお礼を言うと、瀧本くんは嬉しそうな顔を見せてくれた。
瀧本くんと揃ってお店を出ると先に外に出ていた佳純ちゃんと宮下くんが仲良さそうにしている様子が目にとまる。
「あの二人…本当にお似合いだね」と瀧本くんに言うと「あぁ…」と短い返事が返ってきた。
瀧本くんの二人を見ている切なそうな瞳に、食事中に考えていたある可能性が確信に変わる。
こちらに気がついた宮下くんが瀧本くんに声をかけてきた。