Contact〜再会した初恋の君に〜

「送っていく」

一言声をかけた瀧本くんが隣に並んできた。

「あ、じゃあ…駅まで一緒に行こう」

「いや、家まで送る」

「えっ? 家までって、瀧本くんってどこに住んでるの? 方向違わない?」

「今は病院の近くに住んでいる。だから、方向は一緒」

「方向は同じかもしれないけど、私の方が先に降りるし、私の最寄り駅まで一緒ね」

電車に乗りドア際に二人で立つ。窓の外に目を向け黙り込んでしまった瀧本くんを見ると寂しそうな顔をしているように見えた。

もしかして…と頭に浮かんだことを訊いてみた。

「あのさ…。あの二人は高校の頃からずっと付き合っていたみたいだし…こうなることわかってたでしょ…。だから、そんなに落ち込んでないでさ…。祝福してあげようよ」

なかなかストレートには言いにくくて、遠まわしな言い方になってしまって通じたのか心配になり様子をうかがう。

「祝福してるよ」

考えごとでもしているのか、素っ気ない返事が返ってきた。
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