Contact〜再会した初恋の君に〜

しばらく無言のまま電車に揺られていると私の降りる駅の近くになっていた。

「じゃ、そろそろ着くから。またね。お疲れ様…」

ホームに着いた電車の扉が開き歩き出そうと足を動かすと、瀧本くんが私の腕を掴み一緒に降りてしまった。

「た、瀧本くん。電車降りたらダメじゃない…」

「送っていくって言ったろ」

腕を掴まれたまま改札を出ると駅前のロータリーの端にあるベンチに座らされた。

「ごめん。こうでもしないと田中とちゃんと話もできなくて…。ここで座って話す? それともどこかのお店に入る?」

「…こ、ここでいい…。話ってなに?」

「あのさ…なんか誤解があるようだから言っておく。俺、佳純のこと女として好きとか思ってないから」

電車内でのことだとわかり「あ、うん」と頷く。
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